第12回トークセッション(メインテーマ「地下水保全活動と地域連携」)を2月10日に開催しました。今回は、対面とオンライン併用のハイブリッド形式での開催とし、オンライン参加者を含め約40名の参加がありました。
進行する地球温暖化は地下水資源にも影響を及ぼすとも言われており、地下水資源の保全には地下の状態把握や地域連携がより重要になっています。
この話題を踏まえ、今回の話題提供では、総合地球環境研究所 名誉教授 中野孝教さん、日本大学理学部地球科学科 教授 山中勝さんのお二人から講演をいただきました。
中野さんからは「地球温暖化のなかで地域の水資源を守る試み」と題して、水循環の診断のため、安定同位体の活用や水温やECなど簡易に測定できる方法も紹介されました。また、これらの診断結果が行政や市民にフィードバックされること重要であるとも話され、水温やECの測定では地域の環境学習にも活用されているとのことでした。
山中さんからは「同位体指標を使うことで見えてくる地下水情報」と題し、地下水中のストロンチウムなどの同位体や溶存成分の測定を通して涵養量や地下水流動を把握する手法が大阪平野と木曽川河口での具体的な事例を挙げて紹介されました。
後半のトークセッションでは、講師お二人に岐阜大学教授 大谷副理事長がファシリテーターとして加わり、参加者からの意見や質問も取り上げながら議論を展開しました。
特に話題提供で紹介されたような専門的な情報をどのように地域や市民と共有していくかなど、地域連携の進め方について活発な議論が行われました。
最後に、共催の(公社)日本地下水学会から、当NPO法人理事でもある寺尾宏さんが閉会の挨拶を行いました。
山中さんは、かつて中野さんに師事されていたとのこと、一体感のあるトークセッションとなりました。